この所、真夏日が続いておりますが、皆様、体調には十分にお気を付けください。
さて、今回は「庄内由来の調度類」と題して、山形県庄内地方より運んできました調度類をご紹介致します。ご存じの方もおられるかも知れませんが、店主の妻の親元地は、「庄内地方」と呼ばれている山形県酒田市です。ここは江戸時代に北前船で栄えた港町で、古くから商人の町として有名でした。昭和時代にはNHKの朝ドラ「おしん」の里として、また最近では、アカデミー賞受賞作品「おくりびと」の撮影が行われたり、また、庄内映画村では、数々の名作映画が撮られたりしております。
又、米どころ、酒どころとしても有名で、数々の名米・名酒があり、これらの農耕方法、醸造方法は、代々受け継がれております。
店主の妻の親元本家も納屋と蔵のある農家です。この蔵に眠っていたいくつかの調度類をお借りして、和(なごみ)の店内に置いております。
① 庄内箪笥と祖母の鏡台
縁側手前と床の間の横にある黒塗りの箪笥が、庄内箪笥です。庄内箪笥は、箪笥中央にある大きな鍵の金細工が有名です。店主の妻の親元本家も納屋と蔵にあった庄内箪笥は、残念ながらこの金細工のかんぬきがなくなっておりましたが、その他の手打ち金細工は、多少錆びてはいるものの、そのまま残っておりました。
縁側手前の庄内箪笥の上に載せています鏡台は、明治生まれの店主の妻の祖母の嫁入り道具でした。
② 庄内長持とおひつ
大テーブルの間の縁側手前には、庄内長持とおひつが飾られています。長持はこの小さなものと、もうひとつ長さが4m程のとても大きなものがありました。この大きな長持は、置き場所の都合上、持ってくる事はできませんでしたが、昔はお布団を入れていたそうです。
庄内地方のおひつは独特な形をしております。私は、てっきり野菜や魚を一時的に入れる入れものだと思っておりましたが、これに炊き上がりのごはんを移して保存に使っていたと聞き、驚きました。
③ もうひとつのおひつ
北縁側の棚の上にもうひとつおひつを飾っています。南縁側のものにくらべて、やや小ぶりです。この小ぶりのおひつは赤飯用、もうひとつのものは白飯用だそうです。